「何ができるか分からないから、私はインドへ行く」

札幌学生百景 001

佐藤ゆうか

北星学園大学文学部英文科3年生

#インド#学校を作る#留学#迷いながらも行動する

聞き手:金井直樹(じゃんぼ)



いまどんなことに挑戦していますか?

「インドのNPO法人 Niranjana Public Welfare Trustに協力して、現地の学校(小学校~中学校相当)を増設しようというプロジェクトにかかわっています。そのNPO法人が作る学校はすべて寄付金で賄われていて、3校あります。そのうちの1つの学校にこの夏友人と訪問します。」

学校を新しく建てるんじゃなくて、増設するんですね。
「訪問予定の学校は机がなくて生徒が地べたに座っていたり、屋根があるだけで吹きさらしの建物があったりと、他の2校に比べて環境がよくないんです。一緒に行く友人は3年前にも訪れているんですが、この3年でほとんど変わっていないという事で、何か手伝えることはないかな、環境をよくできないかな、という事で今は増設を予定しています。」


そうなんですね。写真を見ると確かになかなかタフな環境ですね。
NPOが建てている学校という事ですが、どういう子供たちが通っているんですか?
「この学校がある地域は、地方の小さい村なんですが、識字率が低くて、教育に対する意識が低いんです。子供たちの親も学校に通っていなかったり、学校に行かせず仕事の手伝いをさせていたりします。そこで学校の先生やNPOの人が親のところに行って、教育の大切さを伝えて説得して子供を通わせてもらっています。文字が読めないことで犯罪に巻き込まれたり、計算ができないことで良い仕事に就けなかったりと、ちゃんと教育を受けないと貧困のサイクルから抜け出しにくいですよ、と。そうやって少しずつ生徒を増やして、今は170人の子供がこの学校に通っています」

親から説得して、子供を増やしてるんですね。日本じゃなかなか考えにくい状況ですね。


この取り組みを始めるきっかけはなんですか?

「友人に誘われたのがきっかけです。もともとその友人が大学1年生の時に国際協力団体を立ち上げて現地に行っているんです。でも結局その団体は色々あって2年たたないくらいで解散してしまいました。最近、友人からもう一度その学校に行きたいという話を聞き、私も行きたい!となりました。今回の訪問では、具体的に行動できなかった前回の二の舞にはならないようにしたいです。」

友人からの誘いだったんですね。

「私は去年から今年の春まで11か月間カナダに語学留学していて、日本に帰ってきてもっと色々な世界を見たいと思っていたタイミングの事でした。それまではカナダとか進んだ国の綺麗なところを見て、日本とは違う世界を見たいと言っていたのですが、友人から聞いたインドのような世界もあるんだなと。逆というか、そういうところに行ってみたいと思いました。」

そういうきっかけがあったんですね。
お話を聞いてると、ゆうかさんはなかなかフットワークが軽いなという感じなんですが、もともとそうなんですか?大学1,2年生の頃はどんな感じだったんですか?

「1,2年生の頃は全然こんな感じじゃなくて、大学とバイトの行き来でした。あとは、留学に行く前の大学2年生の終わりまで剣道部に入ってました。何か活動するとか、団体立ち上げるとか、良いなあと思って興味はあったんですが、きっかけがなく、自分からも動いてなかったですね。

1,2年生の頃は意外にもそんな感じだったんですね。
留学に行くというのは結構なチャレンジだと思うんですが、それはどういう経緯で?

「もともと英語が好きなんですが、喋るのが苦手で、英文科なのに喋れないのがコンプレックスでした。1,2年生の間はさっき言ったような生活だったので、カナダで何か変わりたい!というモチベーションはありましたね。それに関して1個めっちゃ深い話があるんですよ(笑)」

おお!なんですか?

「2年生のときに『ゆうかって、普通の大学生だよね。趣味とか特技ってないの?』って友人に言われました(笑)
ちょうどその時異文化コミュニケーションという授業を受けていて、アイデンティティとか私とは何かということをめっちゃ考えてました。
それが重なって、『自分ってなんだろう』ってなった時期がありましたね。」

友人のその言葉はすごいですね。なかなか聞かない。

「それで、私は留学に行くんだ!留学行って変わって来よう!てなりましたね。英文科なのに英語も得意とは言えないし、剣道もそこまで強いわけじゃないし、自分はすべて中途半端だなと思ってしまっていたので、留学にかけました。」

行ってみて実際どうでした?

「楽しかったですね。友達もだんだん増えてカナダ最高!って感じでした。それでも語学学校の第二言語で英語を学んでいる人たちのコミュニティだけで終わらせたくはなくて、ネイティブの人や色んな人と関わるために外のコミュニティに行くようにしました。学生ビザで働けなかったので、ボランティアを色々しました。」

どんなボランティアをしてたんですか?

「最初は怖かったので、日本語学校のアシスタントから始めました。子供たちに英語で日本語を教えるというのを5ヶ月くらい。次にホッケーとかラクロスの試合でチャリティー宝くじのチケットを売るというのをやりました。売り上げの半分が賞金になり、もう半分が子供たちのスポーツ活動を推進する団体に寄付されるというものでした。フィフティーフィフティー(50:50)チケットというんですが、会場内の通路を歩いて、『フィフティフィフティ~!』て言いながら売ってましたね。くじ番号3つで5ドルとかなんですが、おじさんとかおばさんとか年上の方が結構買ってくれていました。」

そんな面白い仕組みがあるんですね!

「もう一つ、障害のある子が体を動かすプログラムの手伝いもしました。これは思ったより始めるまでのハードルが高くて、申し込んでみてから面接と事前講習があってびっくりしました。講習では障害のある子や虐待を受けていた子との接し方などを学び、テストに合格すると認定証がもらえます。周りはネイティブの人やネイティブ並みに英語がうまい人ばかりで焦ったんですが、なんとか認定証をとり、活動できました。内容自体はそんなに難しくなくて、バルーンで遊んだり、フットサルコーナーがあったり、障害物競走ができるところがあったりして、スタッフとして見守って盛り上げるみたいな感じでした。」

11か月間留学に行って、どんなところが変わりましたか?

「カナダが楽しすぎて帰りたくなかったですね。周りのみんなもモチベーションが高い人たちで刺激を受けていましたし、自分も色々と自信を持てる活動をして充実していたので、日本に帰ったらそういうことができなくて楽しくないと思ってました。それで帰ってきた後は3日くらい何もしないで家で過ごして『やっぱ日本つまんないわ~』と思ってました(笑)」

「とりあえずこのままじゃまた英語を喋れなくなりそうだなと思ったので、外国人がいるところに行って、英語を喋りたいなと思ってfacebookを見てたら、たまたまゲストハウスのwayaでイベントがあったんですね。ここなら外国人がいるだろうと、そこに行くことにしました。そこで今のバイト先と繋げてもらったり、たまたまカナダのトロントから来てる人に会えたり、休学してバックパックしてる女の子に会えたり、色々な人の話を聞いて、こういう繋がりって自分で探したらあるんだなと気づいて、もしかしたら日本も楽しいかもと思うようになりました。カナダだったから楽しかったんじゃなくて、留学中は1年しか時間がないから自分から動かなきゃとなれて、楽しかったんだなと気づきました。自分から行動すればカナダでも日本でも関係なく楽しい事ってたくさんあるなと感じて、それからは興味を持ったことや誘ってもらったことには積極的に参加するようになりました。」

カナダに行ったことで、自分から動けば面白い事がたくさんあると気づいたんですね。


それでは、ここまでは割と普通のインタビューだったかなと思うんですが、気になるところに少し突っ込んだ質問をしていきたいなと思います。
まず、最初の疑問なんですが、どうして学校を増設したいんですか?

「それは実は私たちも迷っている部分ですね。向こうの方に増設したいと言われて、手伝おうとなっているのですが、学校が困っている現状を実際に見て、増築するのが正解なのかどうか考えたいと思っています。子供たちの教育環境をよくするには他の方法もあるんじゃないかと思っていて、今聞いている話では私は増築が一番だという仮説を持っていますが、2番目の仮説として備品をもっと整えることや、NPOがお金を集めて使うシステム自体を改善することなど、増設以外のことも考えています。」

とにかく学校を建てたいというわけではなくて、子供たちに教育の機会を作りたいというのが大きな目的なんですね?

「教育の機会を作りたいというより、教育の環境を良くしたいという感じですね。ただ教育を与えるのではなく質のいい教育環境を整えたいです。」

なるほど。
よく聞かれると思いますが、どうしてインドの子供たちなんですか?日本にも教育環境に困っている子供がたくさんいると思うんですけど。

「どういう活動をするかは人それぞれでいいと思っています。日本でも、今は自然災害など色々と問題はあるかと思いますが、日本だからインドだからではなく、そこに困っている人がいる、というのは変わらないと思います。私は、この活動を教えてくれた友人がいたというきっかけがあったから、これをやっています。他の人がこの活動をすべきだとも思っていないですし、私はこの話に共感したから行くだけです。私にとっては考えていたことに近かったり、タイミングが良かったという感じです。日本がどうでもいいから、海外のことをしているとかではなく、たまたまきっかけがあったのでやっています。」

問題が身近かどうかより、きっかけが大事ということですね。

学生の身分でできることってどんなことですか?

「以前、このような活動をしている社会人の方から『学生が与えられるのはお金じゃなくて、時間と労働力だよ』と言われたことがあります。お金を集めたり、お金を使うことに慣れてない学生じゃ難しい問題がいっぱいあってうまくやれないよ、学生の強みは体力と時間がある事だよ、という意見でした。その通りかも知れないんですけど、それを言われたからといって、じゃあ今のやり方をやめようとは思いません。自分たちに何ができるか分からないから、行ってみて自分たちなりの決断をしたいと思っています。私たちの活動には賛否があるんですけど、私の中には現地にいって子供たちに会って何かやりたいという揺るがない思いが強いんです。めっちゃ学生臭いかと思いますけど(笑)」

(熱くてめっちゃいい、突っ込んだ質問をするのがつらくなってきた・・・)

学生だから続かないんじゃないんですか?

「今回はまず1回行ってみて、今後どういう関わりをするか決めたいなという思いがあります。今後続けられるのかというところについては、こういう国際協力って現地に行くことだけが全てじゃないと思っています。1回だけで終わりというのは絶対したくないと思っていますが、関わり方の方法は色々あるんじゃないかと思っています。あとは一緒に活動してくれる仲間がいたらいいなと思っています。」

関わり方は変わるかもしれないけど、関わり続ける意思はあるんですね。いいですね。

なにか他にも厳しい意見をもらったりしましたか?

「行ってどうすんの?ただ行くだけなら観光と変わらないよ。と言われました。私の中には向こうですることのリストや、考えなどは色々あるのですが、明確に何をするのか決めてから行かないと観光と一緒だよという意見でした。でも、何ができるか分からないから行くんです。もちろん自分なりの仮説と目的は持って行きます。具体的に何ができるか分からないですが、それを見つけに行きます。」

話は変わって、polcaでお金を集めてますよね。どうしてpolcaをしてるんですか?

「純粋にお金が足りないというのがまずあります。航空券や滞在費は思ったよりもかからなかったんですが、行くまでの予防接種などの出費が大きかったです。しなくても行けるんですが、死にたくないので注射させてくださいという感じです(笑)。あとは行く先の村も首都から離れているので移動が大変だったりします。共感してくれる人がいて支援してくれたらいいなと思って始めました。」

これもpolcaしてる人は聞かれがちだと思うんですが、どうして全額自分で用意せず、polcaしてるんですか?

「最初はpolcaを使わないで、自分で集めるつもりでした。友人から札幌の学生でやりたいことのためにpolcaしてる人いるよと聞いて、そういうやり方もあるんだと思いました。それで自分もやってみようとなりました。polcaをすることで、ちゃんとやらなきゃいけない、ってなりますよね。まずpolcaを始めて、こういうことします、って宣言するだけで、責任が生まれます。さらに人からお金をもらうことで、もっと責任が生まれるというか。」

周りの学生からチャレンジの連鎖が起こるのはいいですね。この記事を読んだ人からもチャレンジが生まれるといいですね。実際はじめてみてどうですか。

「まあ難しいですね(笑)なかなか集まらないです。でも、やったおかげでお金のありがたみとか、集めることの難しさを学びました。実際学校を増設するとなって、もっと大きい金額を集めなきゃいけないときどうすんだともなりました(笑)
あとは、自分が何をしたいのか発信することで改めて自分の考えを整理できました。どうしてやるのかとか、モヤモヤしている部分を言葉にすることができました。さらにそれに対する意見や、フィードバックがもらえたり、向こうに行ったら会いましょうという連絡をもらえたりしました。つながりも生まれましたね。」

お金が集まらなかったらどうなるんですか?

「親に借金させてもらって行きます。集まらなかったら行けない、という事にはならないと思うんですが、多くの人に共感して、支援していただけたら嬉しいです。」

僕もpolcaとかクラウドファンディングとかよく支援するんですけど、ただお金を渡すというだけじゃなくて、一緒に挑戦している感覚になれるのがいいですよね。

ゆうかさんがチャレンジ中のpolcaはこちら

インタビューは以上になります。突っ込んだ質問にもちゃんと答えてくださりありがとうございました。

それでは、最後に改めて、読者に向けてメッセージをお願いします。

「面白そうだなとか、少しでも興味を持ったことにどんどん行動していってほしいです。自分自身一歩踏み出せなかった過去がありますが、そこを一歩破ってみたら、楽しい事がたくさんありました。あとは、やりたい事が分からないというのはよくあると思いますが、私もまだまだ迷っています。それでも色々なことに関わることを大事にしているので、遠回りになっても、迷いながらでも、いろいろな経験をできればその先に見えるのではと思っています。もし私の活動や、私の話している事に少しでも興味を持っていただけたら、8月20日にイベントをやるので、気軽に来ていただきたいです!色々お話しましょう!」

 

そんなゆうかさんに実際に会って話せるイベントがこちら↓


「穂と葉インドデイ!」
インドに関わる活動をしているSPICEプロジェクトの高校生4人と Niranjana Public Welfare Trust 札幌協力隊の女子大生2人が穂と葉に集います!!

さらにお店ではインドカレーやチャイを用意します!

インド料理を食べながら交流しましょう!
インドに行ったことがある人もない人も集まれ!!

SPICEプロジェクトとは?
札幌の高校生5人が行う募金活動です!
「インドのストリートチルドレンに教育を」を理念に、市内の飲食店を主とした募金箱設置やイベントへの参加など積極的に活動しています!
当日は、僕たちが何故高校生にしてインドに行きたいと思ったのかと、これまでの募金活動で楽しかったことや苦労したことを面白エピソードを交えて話します!
実はメンバーは誰もインドに行ったことがないので、インドに行ったことがある方から様々なエピソードを聞きたいです!

Niranjana Public Welfare Trust 札幌協力隊とは?
NPO法人Niranjana Public Welfare Trustと提携しインド北東部にあるゴンガリア村の子供たちの教育支援を中心に札幌の大学生2人が始めた活動です。札幌で国際協力を身近に感じてもらうイベントも実施しています。
当日は活動の紹介をしたり、皆んなで一緒にインドの子供たちにメッセージカードを書いたりしたいと思います!

【日程】
8月20日(月)17:00~22:00
途中出入り自由です!

【会場】
学生リビング穂と葉
アクセスはこちら
札幌市中央区北5条西6丁目1-23 北海道通信ビルB1F

【会費】
入場料500円(インドカレー、チャイ付き 限定20食につき売り切れの際はご容赦ください)
+感じた価値の分、払いたいと思っていただける分だけお帰りの際にお支払いください。

2団体のお話、カレーやチャイなどを楽しんでいただき、この場に感じた価値の分だけお支払いいただきたいです。
集まった金額の一部が上記2団体の活動費となります。
(団体に直接寄付することも可能です)

さらに、興味はあるけどお金があまりなくて厳しいという学生も気軽に来れるように、入場料含め、以下のような方法でお金以外でも皆さんが提供できる価値でお支払いいただけます。

・食べ物、飲み物を持ち寄る。
・2団体の活動や、穂と葉をSNSで紹介する。
・その他、イベントに来ている人、関わる人が喜ぶことなら何でも可。

お金で支払われる方も、上記の方法を組み合わせていただけると、会が盛り上がって嬉しいです!
(是非みんなで分けられる食べ物・飲み物を持ち寄ってもらいたいです!)

【参加資格】
学生に限らず、どなたでも参加可能です。
・ゆうかさんと話してみたい
・高校生の活動に興味がある
・インドに興味がある
・一歩踏み出すきっかけが欲しい
・学生の活動を応援したい
というような方、大歓迎です!
※特定の思想や宗教、ネットワークビジネスなどに関わる方の参加はご遠慮ください。
そのほか、参加者に不快感を与える行為を目撃した方はお知らせください。

【参加申込】
不要です。
FBをしている方は、イベントページで参加予定にしてくださると助かります。

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